スタジオでのファッション撮影や大勢のスタッフと
機材を積み込んだロケバスでスポットを回るシューティングとも違い、
ストリートを舞台に筋書きなしで進んでいくフィジカルな撮影が新鮮だ。
コンビニでビールを買い足しながら、
寄り道を繰り返して東京のど真ん中を歩いていくと、
普段は目に留まらない壁や階段が新鮮な遊び場に見えてくる。
乃木坂の駅を下るコンクリートの階段、246のトンネル、
麻布の地下駐車場へ下るゆるやかにカーブした壁、青山霊園裏の雑居ビルの屋上…。
電柱を登り、塀の上を歩き、階段を駆け下り、ビルに潜り込み、
気になるスポットがあればフリスビーをスロー&キャッチしながらあても無く進む。
その場所の壁の質感や、カーブの具合を何度も確かめながら
感覚を掴んでいく様子は、まるで街とセッションしているみたいだった。
ジャズミュージシャンによるインプロビゼーションさながらのジャムスタイルで、SPIN COLLECTIF TOKYOとのフォトセッションは進んでいく。