空を見ろ
星を見ろ
宇宙を見ろ
今晩は12月24日、クリスマス・イブ。
人々が、聖なる夜を家族や恋人、友人達との
かけがえのない一時を過ごしているこの今も、
ここ北アメリカ航空宇宙防衛司令部では
アメリカとカナダ中から集められた優秀な隊員達が
北アメリカの上空と遥かなる宇宙空間の安全守るため、
暗い夜の闇の監視を続けている。
今夜の任務はアメリカ上空を飛来する予定の サンタクロースの追跡である。
かつてアメリカが共産主義・社会主義陣営、
いわゆる「赤(アカ)」の脅威と対峙していた冷戦時代から、
同じく「赤」であるサンタクロースの移動を
毎年、12月24日から25日にかけて
24時間体制で追跡しているのだが、 その日追跡レーダーにとらえられた
かなたからせまりくる赤い火は、サンタクロースではなかった。
あれは何? あれは敵? あれはなんだ?
…ということで、かなり適当なウルトラ警備隊的ナレーションで
はじまりましたが(分かる?)北アメリカ航空宇宙防衛司令部は
アメリカとカナダが共同で運営する実在の組織で、
彼らがイブから、クリスマス当日にかけて
サンタクロースの追跡を行っていることも事実であり、
また、この原稿をタイプしているただ今の時間は
日付もとうに変わった25日の午前3時。
こちらは一人、You Tubeの監視を続けていることも また残念な事実。
「メリークリスマス、わし!」 なんて文字も、無表情でタイプしている
アラサー男子、DJ嶋田のぶんぶんがお送りする
「DJ嶋田のぶんぶんのポップス50音順」の時間です。
ということで、「あ」から始まり「ん」で終わるまで、
毎回50音順に一字ずつ、その文字からはじまる
ナウな ポップ・ソングを毎週お届けするこの連載。
「い」に続く第3回は「う」!
サンタクロースはもうやって来ない、1980年代生まれの少年・少女に贈ります、
「ウルトラマン タロウ」!
作詞は阿久悠、作曲は川口真という 70年代歌謡界のウルトラ兄弟。
(ちなみに、この番組が放映された1973年、 阿久悠は
ペドロ&カプリシャスの「ジョニィへの伝言」で
日本レコード大賞・作詞賞を受賞。 川口真は、新人賞に輝いた
安西まりあの「涙の太陽」に 編曲で名前を連ねています)
子供向けの特撮ドラマの主題歌を謳いながら、
開始1秒目から、すでに悪い 歌謡曲の香りがただよっていますが、
その期待をまったくもって裏切らない、ワウ全開でぶっ飛ばすウルトラ歌謡曲。
そもそも、歌謡曲にワウなんぞは、改造車かバイクに乗ってる不良の音楽と
相場が決まっているわけですが…
「見て!あのボンネットにランプくっつけた赤い車、 兎瑠賭羅(ウルトラ)の首領(ヘッド)やってるタロウさんの車だよ」
「タロウさん、本気(マジ)で気合い入っているよねー。 ねぇねぇ、ミーコってタロウさんとどこまでいったの? Cいっちゃったとか?」
「もうっ!やめてよ、ケイコ! タロウさんは、あたいのことなんて、見ちゃいないよ。 集会で会っても、口もきいてくれないし…。 でも、あたい…、初めてはアノ人って決めてるんだ。」
「…ミーコ、あんた、本気(マジ)でタロウさんに惚れてるんだね。」
なんていう架空の不良ロマンポルノ (タイトルは『3分でイカせて』)のセリフが
どこからともなく聞こえてきそうな(こない?)
縦ノリでも横ノリでもない、“前ノメリ”という、素晴らしい歌謡曲の
グルーブを感じながら今夜はこの辺でお別れ、 デュワッ!
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