DJ嶋田のぶんぶんのポップス50音順 第5回「お」
DJ嶋田のぶんぶんのポップス50音順 第5回「お」

DJ嶋田のぶんぶんのポップス50音順 第5回「お」

地方都市和歌山を拠点に活動する私的シティポップDJ・嶋田のぶんぶん。
彼が愛してやまない国産ポップスを50音順に紹介する連載エッセイ。
NYやイビザにいるDJの名前を自慢げに並べ立てる奴と
自国の音楽を哀愁と羞恥とリスペクトをもって語れる奴、
どっちが愛せるかっていったら、わかるよね?
つまりそういうお話。
  • 文 / DJ嶋田のぶんぶん
  • 編集・題字 / 山若将也

「現代のベートーヴェン」から「偽ベートーヴェン」へ。
って言っても、そもそも「現代のベートーヴェン」の時点で それはそれで、
本物のベートーヴェンじゃない偽物に 違いない訳でございますが、
そこには誰も突っ込まないのね、なんて事も思う近頃に今晩は、
和歌山のポチャット・ベイカーこと、 DJ嶋田のぶんぶんがお送りする
踊る阿保に見る阿保、 同じ阿保なら踊らにゃソング・バット・ノット・フォー・ユー!
「DJ嶋田のぶんぶんのポップス50音順」の時間です。

全聾の作曲家にはゴーストライターがいて、 実は耳も聴こえるらしいという話に、
「恋愛禁止」のアイドルには彼氏がいて、 ひょっとすると処女ではないらしいという話。

信じる者が救われたのはいつの時代か、 ニーチェが「神は死んだ」と宣った、
神話は醜聞(スキャンダル)にぬりつぶされ、 オリンピックの競技の
感動の余韻も コブクロの歌にかき消される、 そんな現代の混沌とした社会を
生き抜くための、 マックス・ウェーバーの格言をひとつ。


「ひたすら漢(おとこ)らしく耐えろ」!


ということで、「あ」からはじまり「ん」で終わるまで、
毎回50音順に一字ずつ、その文字から始まる いなせなグルーブの
国産ポップスを紹介するこの連載、 第5回目の50音は「漢(おとこ)」の「お」!
漢に生まれたからには、一度は言われてみたいこの楽曲。


守谷香「お嫁さんになってあげないゾ」


アニメ『キテレツ大百科』の初代オープニングテーマで、 1986年デビューのアイドル、
守谷香の3rdシングル。 この曲から10年後、守谷香は、どことなく
風貌が(と言うよりもサングラスに長髪が) 佐村河内守を想わせるX JAPANの
TOSHIの お嫁さんになってあげるわけですが、残念ながら
実際の「お嫁さん」生活が、歌の通りに 「危険な大人の国もパラダイス」では
なかったとしても 臆するなかれ。 池毅の作曲による、
いなたいニューミュージック風のファンクチューンに、
ラウンジ・ジャズピアノが絡みつくスゥインギンな展開が、
最高に胸トキメカス名曲であることはお聴きの通り。

同じく、森雪乃丞と池毅コンビが手掛けた この曲へのアンサーソング、
トロピカルなAOR風のイントロが印象的な 「キミと結婚したら」もお勧めです。


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